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はじめに
2026-10-03 に開催された PHP カンファレンス愛媛に、スタッフ・スピーカーとして参加した。
開催まで
地元愛媛松山での開催ということで、是非力になりたいと思いコアスタッフとして参加した。実行委員長のヒガキさんとは PHP カンファレンス小田原のスタッフ仲間であり、コアスタッフとしてお手伝いするのを決めたのも PHP カンファレンス小田原 2026 の打ち上げの場である。このあたりの経緯は、数週間ほど前に公開されたツナギメエフエム 第 179 回に出演させていただいた際にも話している。
コアスタッフの中では、まきまきさんと共に「チーム愛媛」と呼ばれるチームで準備にあたっていた。
チーム愛媛
このチームでは、来ていただいた皆さんに愛媛を感じてもらう、愛媛のいいところを知ってもらうような企画・ノベルティの準備をおこなっていた。例えば、スタンプラリーの景品や参加ノベルティを考えたり、愛媛クイズを作ったりしていた。
今治タオルのハンカチ
参加ノベルティは今治タオルのハンカチにした。愛媛県今治市はタオルの生産が有名で、ブランド名である「今治タオル」と共によく知られていることと思う。見た目としても実用性としても満足している。
ところで、今回発注する中で知ったのだが、ノベルティを発注しようとすると、「今治製タオル」「今治のタオル」「今治産タオル」のような表記になっているところがある。「今治タオル」はこれで一単語のブランド名であり、認証を受けなければ「今治タオル」を名乗ることができない。「今治製タオル」などの表記は、今治で作られた非今治タオルを指す。
今回は認証付きの本物今治タオルにしたので、ちゃんと今治タオルの認証タグが付いている。
マスコットキャラクター
マスコットキャラクター (ひめぞう[1]) はスタッフのくみねこさんがデザインしてくださったのだが、頭に付いているヘタの部分は愛媛県の形になっている。懇親会で何気なく話題に出したところ、思ったより気付かれておらず驚いた。この形は「走っている犬を横から見た形」などと説明される。愛媛に観光に来ると県のゆるキャラである「みきゃん」を飽きるほど見ることになると思うが、みきゃんが犬なのはこれも理由の一つである。これを機に愛媛の形を覚えてほしい。
愛媛カルト検定
愛媛にまつわるクイズを10問ほど用意した。各問題で解説も用意していたのだが、当日は表示される機会が少なかったのでここで振り返ってみる。
Q. 愛媛県を含む一部の地域では「ラーフル」と呼ばれる、全国の小学校で教室に置いてあるものは何でしょう
- (答) 黒板消し
- 教卓
- チョーク
- 先生が使う大きな定規
ツナギメエフエムで出した問題。黒板消しクリーナーのことは「ラーフルクリーナー」と呼ぶ。
Q. 愛媛県と本州は「しまなみ海道」と呼ばれる高速道路で結ばれていますが、両端にある都道府県は愛媛県と何でしょう
- (答) 広島県
- 山口県
- 岡山県
- 兵庫県
PHP カンファレンス香川 2025 の登壇で本州四国連絡橋がそれぞれどことどこを結んでいるかという問題を出したときに、正解率が結構低かったので作った。しまなみ海道は愛媛県と広島県を、瀬戸大橋は香川県と岡山県を、大鳴門橋・明石海峡大橋は徳島県と兵庫県を結ぶ。
Q. 愛媛県は柑橘類の生産で知られていますが、みかん (温州みかん) の生産量が日本で一番多いのはどの都道府県でしょう
- (答) 和歌山県
- 愛媛県
- 静岡県
- 熊本県
何十年も愛媛が生産量1位だったのだが、私が生まれた頃に和歌山に抜かれ、当時は県内で大ニュースだったらしい。
Q. 松山を舞台に、東京から赴任してきた主人公とその勤務先の学校での人間模様を描いた夏目漱石の小説は何でしょう
- (答) 坊っちゃん
- 三四郎
- それから
- こころ
読んだことがある人はご存知のとおり、作中では松山を辛辣に貶しているのだが、なぜかそれで町おこしをしている。
Q. えひめ飲料が製造するみかんジュース「ポンジュース」の「ポン」は何が由来でしょう
- (答) 日本一のポン
- ポンカンのポン
- フタを開ける音
- 創業者のあだ名
この問題だけはこのクイズのために調べて作った問題である。他はすべて元々の知識をベースに作った。
Q. 「えひめっうまれっ♪ ひめっひめっ えひめっそだちっ♪ ひめっひめっ だから名前は○○○○♪ わかりやすい」の CM で知られる愛媛のお米は何でしょう
- (答) ひめライス
- ひめごはん
- ひめのコメ
- ひめの凜
ひめライスの CM ソング。この後は「だからえひめのひとに たべてもらいたい ごもっともー」と続く。なお、「ひめの凜」は実在する別のブランド米。
ところで、ひめライスの会社は「あらうまい」という無洗米を出している。これは「あら、美味い」と「洗うまい」をかけていて、クイズにしがいがある良い名前なのだが、四択クイズにするのが難しく断念した。
Q. 松山の俳人正岡子規は多数の雅号 (ペンネーム) を持っていましたが、次のうち子規の雅号はどれでしょう
- (答) 野球
- 不如帰
- 八朔
- 清見タンゴール
「野球」の読みは「のぼーる」である。子規の幼名である正岡升(のぼる)にちなんで付けている。子規は野球が日本に紹介された頃の最初期のプレイヤーであり、野球に関する俳句もいくつも詠んでいる。打者、走者、四球、飛球といった単語についても、子規の考案だと言われている。
Q. 伊予弁で、「机をかく」と言えば、机をどうすることでしょう
- (答) 運ぶ
- 持ち上げる
- 片付ける
- 破壊する
小中学校で頻出。掃除の時間に机を移動させるときに使う。
Q. みかんの果実における「瓤嚢(じょうのう)」とはどの部分を指す言葉でしょう
- (答) 薄皮で区切られた内部の袋
- 外皮
- 薄皮の中にある一つ一つの果肉の粒
- 白い筋
「嚢」の字は土嚢や胆嚢の「嚢」と同じ字で、要は袋という意味だ。そこから推測できたかもしれない。
スピーカーとして
ここからは当日の話である。まずはスピーカーとしての話から。
LT「壊れたシンタックスハイライトを直して世界に色を塗る」
スライドはこちらから: https://slides.nsfisis.dev/slides/2026-10-03/phpcon-ehime-2026/
このネタは前々から考えていて、別のカンファレンスにプロポーザルを投げたこともある。ただ、登壇ネタとして思いついてから実際に採択されて話すまでにタイムラグがあり、その間に世界の状況が変わってしまった。AI の台頭である。最後の方のスライドは、今この発表をするにあたって付け足したものだ。AI によってシンタックスハイライトが死ぬ可能性は大いにありうると考えている。実際のところ、エディタなどからシンタックスハイライトの機能が消えるというのは考えづらいが、新興の言語をライブラリに誰も追加しなくなったり、壊れたハイライトを誰も直さなくなったりして、実質的な死を迎える可能性は十二分にある。
ところで、今回の LT は自分としてはかなりうまくいったと思っている。自分でも気付いていなかったのだが、勉強会を除いたカンファレンスでの LT は初めてだったらしい (紅白ぺぱ合戦をカンファレンス扱いすれば2回目)。
俳句
LT の最後は俳句で締めた。
冬近し新たな構文糖を塗る
「構文糖」とは、PHP で言うところの ?? 演算子や match 式などといった、「これが無くても書けるが、より短くスマートに分かりやすく書けるような書き方」である。「冬近し」は秋の季語で、文字どおり冬が近いというのが表面上の意味だが、何らかの終わりを感じさせる季語でもある。言語がアップデートされるたびに構文定義を更新するという作業は、そろそろ終わりかけているのかもしれない。
ところで、チーム愛媛で準備していたときには、大吉祥寺.pm と同様スピーカーに必ず一句詠んでもらうという案もあった。
思ったより発表に俳句を入れている人が少なかった (私が確認できた範囲ではゼロだった) のでここで紹介すると、愛媛松山市といえば俳句の町である。
俳人正岡子規の出身であり、その門弟の河東碧梧桐や高浜虚子をはじめ、多くの俳人・歌人を排出している。最近だと、テレビ番組『プレバト!!』で俳句コーナーを担当している夏井いつき先生も愛媛出身だ。他にも、毎年俳句甲子園が開催されたり、街中に俳句ポストがあったり、夏休みの宿題で俳句を作ったりする。
印象に残ったセッション
やはり郡山さんのセッションは印象に残っている。発表の中でもあったとおり内容を公にはしたくないとのことだったのでここでは深く触れないが、非常にいい発表だった。この発表をしていただく場を設けられて良かったと思う。
地方で開催するということ
ツナギメエフエムでも話したが、地方ではカンファレンスや勉強会も含めて、IT エンジニアのコミュニティが少ない。また、愛媛県は大都市への交通アクセスが悪く、学生などがコミュニティや勉強会へ参加するのは難しい。もちろん近場で開催されていれば必ず参加してくれるというわけではないが、参加までのハードルは低い方が (特にこれまで参加したことがない人にとっては) 参加しやすいのは確かだ。
カンファレンスを地方で開催することは、コミュニティへ接続するという選択肢を「発生」させるという点で価値があり、私が今回スタッフとして関わらせていただいているのもこれが理由の一つにある。
おわりに
このカンファレンスのテーマは「技術愛とコミュニティ愛と愛媛愛と」だったが、どれもいい感じに達成できたのではないかと思う。終わってしまったことがまだ少し信じられないくらいだが、とにかく最高に楽しい PHP カンファレンス愛媛 2026 だった。来ていただいた皆さん、スピーカーの皆さん、スポンサーの皆さん、他のスタッフの皆さん、そして委員長のヒガキさん、本当にありがとうございました。機会があればまた会いましょう。
名前は当日決まった